【法則9】「鉄道ファン」のコストパフォーマンス力は最高!  

 大学生2年生の夏、北海道を旅した。

もちろん、「北海道の鉄道」全線完乗制覇が目的だ。

 

当時、「北海道ワイド周遊券」という道内乗り放題の切符があった。

特急、急行列車も自由席なら追加料金なしで乗り放題!

 

販売額は、学割で2万円台だったと思う。北海道周遊区間までの往復乗車券(急行列車も乗れる)ももれなく付いて来るという出血大サービスのきっぷがあった。しかも20日間も有効!

  

このきっぷは、ホテルにも変身するのである。

当時、北海道発着の「夜行列車」が多数運行されていて、ほとんどが札幌発着だった。

 

  • 札幌~網走「大雪」
  • 札幌~稚内「利尻」
  • 札幌~釧路「まりも」

 

私は、特にこの3本の夜行列車を使わせて頂いた。

夜になると「札幌」「網走」「釧路」のいずれかの駅に行けば

寝場所を確保出来るのだ。安心・安全に。

駅や公園で寝るような身の危険を確実に回避できる。

 

1つだけ難点を挙げるとすれば、長距離移動が伴ってしまう為、道南、道央、道東とエリア別に集中して乗りつぶしが出来ないことぐらいである。

 

しかし、上級者は、それさえも解消してしまうのだ。

 

あなたが、昭和生まれの「乗り鉄」なら、「大雪返し」や「まりも返し」という裏技を聞いたことがあるだろう。

  • 「大雪」・・・上川駅で上り下り列車が行き違う
  • 「まりも」・・・新得駅で上り下り列車が行き違う

 

そう、解説するまでもないが、深夜に上記の駅で反対側へ向かう列車に乗り換えれば前夜出発した駅に舞い戻ることが可能であり、前日の旅を継続できるというテクニックだ。

 

【ビジネスへの活用法】

 もちろん、ビジネスに夜行列車や夜行バスを使ってコストカットに努めなさい

ということではない。

この「マインドスキル」を活かそうということである。

「夜行連泊」を重ね、極限まで周遊券を使い倒す執念は、ビジネスにおいても有効である。目的達成の為なら経費削減も徹底する。

「鉄道ファン」は、コストパフォーマンスに長けているのだ。

 

【私の失敗談】

 

私の車内連泊最高記録は4泊程度だと思う。

北海道ワイド周遊券の有効期間満了するまで

20連泊もするツワモノもいるようなので、

まだまだ私など小僧っ子だ。

 

ともあれ、4連泊「着のみ着のまま」でいた私の廻りには異様な空間や空席が目立つようになった。費用対効果を徹底するあまり、身だしなみやマナーを軽視してはダメだ。

ビジネスにおいても同じ。目標達成に集中するばかり前進あるのみと皆を引っ張っているつもりがだれも付いてこなかったということも。足を引っ張る自分にも気づかないようでは、リーダーとしてもビジネスマンとしても失格である

【法則8】鉄道ファンは「孤独」に強い!リーダーの素質がある!

鉄道ファンは、一人旅を好む。

 

「鉄道に乗る」ことが目的の鉄道ファンの旅は、

普通の人から見れば単なる「移動手段」に過ぎない。

 

まるで、回転寿司屋で寿司を注文せず、唐揚げやラーメン(サイドメニュー)

を食べに行く感覚だろうから、仮に、同行者と一緒に旅をしても退屈させてしまう。

それに、こちらも余計な気をつかう羽目になるから同行者の参加はあまり芳しくない。

 

そんなわけで、鉄道ファンは「孤独」に強い。

1人でも充分楽しめる力が備わっている。

 

もっと言えば、旅行に出かけなくとも

「時刻表」1冊あれば、丸1日楽しめるのも鉄道ファンならではの特徴。

列車の乗り継ぎを調べつつ計画を立てるのだ。

その際、自分でルールを決めると盛り上がる(自己満足)

 

例えば

①行程 2日間以内

②旅費 1万円以内

青春18切符普通列車のみ利用)

 

このようなルール(条件)を決め、時刻表を駆使しながら計画を楽しむ。

鉄道ファンにとって時刻表は「読み物」なのである。

 

単なる「机上の空想旅行」と言うなかれ!

 

鉄道ファンは、実にリアルにビジュアル的に計画を立てる。

 

今の時節なら豪雪に備え

非常時の代案ルートまで考える。

諸々試行錯誤しながら、1枚の企画計画書にまとめあげるのだ。

 

完成したら一人悦に入る

それで満たされる。

 

これが、鉄道ファンは孤独に強い所以である。

 

■ビジネスへの活用法

会社員等、人の上に立つと孤独を味わうことが多い。

 

こんな私でも、営業所長や鉄道会社の社長を経験してきたが、

想像以上に孤独な立場を強いられる場面が多かった。

そんな時、孤独や孤立に免疫がある鉄道ファンは強い。

悩まずにおおらかでいられる。

直接ビジネスとは関係のないことだが、老後の認知症対策にもなる

 

別の項目で解説するつもりだが、

「時刻表を駆使した机上旅行企画」の経験は、

ゼロベースから自分で条件を決め、企画提案に集中できる能力に通じる。

コンセプト、ビジョン、計画等、プレゼン力も培われる。

 

人が思いつかないことを鉄道ファン思いつく可能性を秘めている

 

■私の失敗談

「孤独に強い」ということは、反面、人見知りが強い。

元来、人見知りが強い私は、会社に行くだけでも緊張していて

駄目サラリーマンぶりを発揮してしまっていた。

 

出張が決定すると、何通りものルートを検討する為に時刻表と格闘。

気が付いたら一日の業務がそれで終わってしまい

上司に大目玉をくらったことも・・・

 

鉄道趣味の為に出張に行くと誤解を招いてしまう

からほどほどに!

【法則7】鉄道ファンは「目標達成力」の潜在意識が高い! 

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出典:特急デジタル時刻表 主婦と生活社 1979年


鉄道趣味はお金がかかる。

私は、大学時代までに日本全国の鉄道を8割乗った。それだけでもかなりな金額になるだろう。

 

高校生の時、ビル掃除のバイトをした。

自分で稼ぐことの厳しさを覚えた。

ガラの悪いかたぎでなさそうなおやっさん

不法入国者風な中国人たちと労働した。

 

当時の日給は3500円。

昼食用にと500円玉一枚は先払いで支給され、それさえも貯金した。

親に反対されたバイトの為、弁当など作ってもらえず、

50円の菓子パンと水を大量に飲んで腹を満たした。

 

雑居ビルの清掃がメイン。

冷房などあるはずもなく、体感温度40度以上のなかでふらふらになりながらも

(バイト代をためて、絶対この列車で九州の鉄道を乗りまくるぞ!)

と、高校2年生の私はへこたれずやり通した。

青臭いはなしだが、夢と希望に燃えていた。

 

16時。バイトが終わると現場から東京駅へ直行する。

九州方面行の「ブルートレイン」(寝台特急列車)が次々と発車し、それを見送る為だ。 

 

私の狙いは、西鹿児島駅行「はやぶさ号」。

東京―西鹿児島間(現鹿児島中央駅)1518.2キロを

所要時間21時間57分で走る、日本最長距離列車だ(36年前)

丸一日列車に乗っていられる夢のブルートレイン

 

16時45分定刻。

「13番線、白線までお下がりださ~い!はやぶさ西鹿児島駅行が出発します!」

発車ベルと構内アナウンスが流れる。

 

目の前のブルーの車体がゆっくりと動きはじめた

洋風料理の香りと共に、流れる食堂車がまぶしく映った。

ウェイトレス嬢が律儀にホームに立つ人にお辞儀をしている。

ビーフシチューを煮込んでいるのだろう。

 

食堂車のメニューまで頭に入っていた私は、

ビーフシチュー定食」を食べることを決めていた。

食堂車では一番高級な料理で2000円もするのだが。

 

そんな妄想を抱きながら、「はやぶさ号」の赤いテールランプが見えなくなるまで

ココロの中で手を振り続けた。

 

その結果、私は10万円を貯め、

憧れのはやぶさ号で九州7泊8日の旅を実現させた。

 なにをやっても駄目な私にとって、小さな成功体験となったのである。

 

■ビジネスへの活用法

私の様に、学生の時から「鉄道旅行で〇〇に行きたい!」と目標を持ち、

お金を貯めて実現させた鉄道マニアは多いと思う。

 

努力して実現させる「体育会系」のノリとは真逆であるが、

楽しみながら夢を持って目標を実現させる行動力を鉄道マニアは持っている。

 

それをビジネスに活かすことができれば、

魅力的なビジネスマンとして信用され、お客様や会社へも貢献できる人材に成り得る。

 

また、細部まで妄想(私の例で言えば食堂車で何を食べるか?)する癖が鉄道マニアにはあるので、

目標をビジュアル的に捉え現実化させる洗剤能力も備えている。

 

■私の失敗談

 

目標に集中(固執)し過ぎて企画がひとりよがりになってしまうことが多い。

具体的な失敗談は別の機会に書きたいと思う。

 

【法則6】「フットワークの軽さ」こそ、「鉄ちゃん」(鉄道ファン)の強み!

「今すぐクレーム対応して来い!」

営業所長に怒鳴られた。

営業所の売り上げに左右する大きなミスをやらかした私。

 

今すぐ北海道へ飛べ!という。

 

平身低頭状態で、右往左往しつつ

私は、ココロでガッツポーズしていた。

 

時は6月下旬。本州は梅雨真っ盛り。

北海道はさぞかし涼しかろう。梅雨もないし。h

 

もしかしたら、北海道で鉄道旅を満喫できるかも?

車窓に広がる雄大な牧草地&サイロ、湿原、

海の幸駅弁も豊富に堪能できる。

 

「おい!いつになったら出かけるんだ!」

一旦、自宅に帰ってのらりくらり旅支度をしていると思ったのだろう

所長から電話があった

 

「あ、もう着きましたよ~」

と私は千歳空港に降り立っていた。

 

■ビジネスへの活用法

 

鉄道マニア=旅人だ

そう、こういう状況下「鉄道マニア」のスピード感はまさに光のごとし。

 

だから、出張大歓迎!フットワークも軽い。

 

 

■私の失敗談

 

ちなみに、「鉄ちゃん」の言う

パークホテル=公園で寝ること

ステーションホテル=駅で寝ること

シティホテルと勘違いするなかれ!

 

鉄道マニアは、どこでも寝れる。列車やバスの中、そして公園や駅のベンチでも。

 

しかし、浮浪者と勘違いされることも数々あり、要注意。

かくいう私も駅で寝てたら職務質問され、連行されかけた経験がある。

 

「ホームレス」呼ばれされ、

「ホームならありますよ、駅だけに!」

というボケなど通じる相手ではないので念のため・・・

 

【法則5】鉄道ファンは、時間厳守(時間を無駄にしない)

線路の上を走る鉄道は、正確な運行が要求される。

特に日本の鉄道は優秀だ。

 

1分でも遅れるようであれば、たちまち列車内で

「お詫び」アナウンスが流れる。

 

鉄道マニアは、鉄道が「人生哲学(鉄学?」の根本であるので

時間に正確(厳しい)人が多い。

 

「定時運行」でないと落ち着かないのだ。

それが自分の生活リズム(ダイヤ)という訳だ。

 

■ビジネスへの活用法

仕事の出来る人は時間に厳しい。

ビジネスの基本中の基本である。

 

納期やスケジュールの遅れは、自分のみならず自社や取引先の機会損失にも

大きな影響を及ぼす。

 

鉄道マニアは学生時代からすでに「定時運行」が身に付いている。

だから他人よりアドバンテージが高いのだ。

 

■私の失敗例

こんな私にも彼女ができた。

初デートのとき鎌倉へ行き、デートコースは私が担当。

彼女をエスコートした。

神社仏閣、ご当地グルメ、お土産の江ノ電もなかも購入。

 

「旅のしおり」まで作成して鎌倉を二人で満喫した。

江の島まで足を延ばし、彼女も大満足な様子。

 

しかし・・・

 

それ以来、彼女と二人で会うことがなかった。

やはり「分刻みデート」は女の子にはキツかったのだろう。

(男子でも無理?)

【法則4】鉄道ファンは、全国の地名を知り豊富な話題でビジネスチャンスをゲット!

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昨日は、キハ モハ などの車両形式の話をした。

鉄道マニアこそ「仕事ができる人になれる!」

というタイトルは社会人を意識したものであるが、

その基盤は学生のことから培われつつある。

 

小学生の頃の私は勉強が苦手であった。

特に「社会科」が大の苦手。

通信簿は常に「2」(五段階評価)であった。

 

しかし、その「社会科」が救いの神になった。

中学生初めての中間テストで学年1位を取ったのだ。

苦手な社会科なのになぜ?

 

カンの良い人はそでにお見通しだろう。

そう、日本の県庁所在地、世界の首都を答える問題だったのだ。

他の設問は一切なし!全部で100問あったと思う。

 

そう、鉄道マニアの私は日本はもちろん世界の地名など身体に染みついている。

勉強など一切せずに100点満点を取れたのだ。

 

先生にも教室でみんなの前で誉められた。

「いじめられっ子」でスポーツも勉強も駄目ダメな私が・・・

嬉しかった!生きてて良かった!と初めて思った! 

それから、私からいじめが消えた。

 

「社会科」で自信をつけた私は、他の教科もがんばった。

誉められたことが、よほどうれしかったのだろう。

 

試験前の一週間は徹夜で猛勉強した。

風呂でもトイレでも教科書や問題集も穴があくほど丸暗記した。

 

そして、中学3年の一学期。

全ての教科(体育以外)を「5」(もちろん5段階評価)を取った。

全教科で学年1位(40名×8クラス=320名)を勝ち得たのであった。

 

 

≪ビジネスへ活用法≫

このように、鉄道マニアは人より凄まじく優れた一面を持っている。

 

「一芸に秀でてものは多芸に通ず」ということわざがあるように、

地名を良く知っていることは、ビジネスにおいても有効なことが多い。

 

例えば、ビジネスで初めて知り合った人と仕事をするとき、相手が山形の人だったら

芋煮会って楽しいですよね。最後のシメにカレー粉とうどんいれて、いも煮カレーうどん

で食べると、んまいっす(美味いですの山形弁)よね?」という会話が生まれお互いの気持ち

が、ぐーっと身近になる。ビジネス案件もスムーズに進むこと請け合いである。

 

 

≪私の失敗談≫

学生時代の話戻るが、中間・期末などの定期試験では、このような「丸暗記」勉強法で

学年一位になれた私。しかし、高校受験となると応用力が必要。ことごとく受験に落ちまくった。

そして自信を失い、東京のぱっとしない私立高校に入学。しかも男子校で地味な学生時代を過ごした暗い過去があったのも否めない。

【法則3】 鉄道ファンの「分析力」は最強!

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「28」 「48」 「103」 「485」・・・

 

この数字に「ピン!」と来たら、あなたは筋金入りの「鉄ちゃん(鉄道マニア)」に違いない。そして以下の2つのグループに分けるであろう(当然のように)

 

①28 48

②103 485 

 

この数字は列車の形式番号である。

鉄道マニアは、数字を見るだけで姿カタチからスペックまでスラスラ言える。

 

正式に標記すると

①キハ28 キハ48

モハ103 モハ485 

 

数字の前の「キハ」とか「モハ」は、

  • どんな「エネルギー」で動く車両なのか?
  • どんな「車内設備」の車両なのか?

を知ることができる(一般人はどうでも良いことだが)

 

「キ」=気動車⇒エンジンで動く「ディゼルカー」

「モ」=モーター車⇒モーターで動くいわゆる「電車」

「ハ」=普通座席車 

※ちなみにグリーン車=「ロ」である

という事を示す暗号?みたいなものである。

 

この形式は、列車のどこに表示されているのか?

一番分かりやすいのは車両中央の下部分に大きく書かれている。

 

一例として画像を添付しておいたので、どういう車両なのか復習して欲しい(マニア様には常識すぎてアホらしいと思われるが)

 

 

ちなみに、画像の『キハ48 1533』の解説であるが 

「キ」=気動車⇒エンジンで動く「ディゼルカー」

「ハ」=普通座席車 

「48」車両形式番号(カタログで言えば型番みたいなもの?)

「1533」製造番号(車でいえばマンバープレートみたいなもの)世界に1つしかない番号

 

≪ビジネスへ活用法≫

 

鉄道車両には、今回紹介した電車や気動車のみならず、電気機関車、SL、客車(動力を持たない車両)、貨車、寝台車、荷物車等、多種多様な車両がある。

 

それらを、たった数語の記号番号で読み解き、新旧の区別、容姿、カラーリングのバリエーション、仕様やスペックなどをカテゴライズする能力はただならぬ分析力だ。

 

会社の自社商品のみならず、同業他社を含めた企業戦略にこの分析力を活かさない手はないだろう。

 

≪私の失敗談≫

鉄道に全く興味のない人にまで、この鉄道豆知識を飲み屋で披露した。相手はなんども相槌を打ち興味津々な感じで聞き入ってくれたので嬉しかった。

しかし、その相手とは二度と飲みに行くことはなかった・・・